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人間中心のコネクテッドシティ:東京でのイベントから読み解く「 都市モビリティの未来」

Mormediはこのたび、在日米国商工会議所(ACCJ)と共同で、「Designing Tomorrow’s Urban Mobility: Building Human-Centered Connected Cities(未来の都市モビリティのデザイン:人間中心のコネクテッドシティの構築)」と題したイベントを開催しました。会場となった東京アメリカンクラブには、日産自動車、ソニー・ホンダモビリティ、富士通をはじめとした業界のリーダーが集い、テクノロジー、社会、そして都市環境の接点をめぐって議論が交わされました。
議論はスマートシティの技術的な実現方法にとどまらず、より本質的な問い——「コネクテッドシティをいかに人間中心であり続けさせるか」へと踏み込みました。

モビリティを社会格差を是正する手段として捉える:日産のビジョン
イベントは、Mormedi CEOのJaime Morenoのモデレーションのもと、日産自動車Vice President(グローバル商品戦略担当)であるRichard Candler氏との対談セッションから始まりました。Candler氏はモビリティを重要な社会課題として位置づけ、需要は安定している一方で供給は減少している現状を指摘しました。その象徴的な例として、日本では過去10年でタクシードライバーが30%減少していることが挙げられました。日産の戦略は「バリアフリー・モビリティ」に重点を置いており、「モビリティ・デザート(移動手段が不足している地域)」や、従来の交通手段から取り残されがちな高齢者、健康上の制約を抱える人々、免許取得前の若年層といった層への対応を目指しています。

  • 自動車を「資産」として捉え直す:Candler氏は、所有から「Mobility-as-Access(アクセスとしてのモビリティ)」への転換を提示しました。自動運転車が常時稼働することで、所有者が使用していない時間も含めて24時間収益化が可能となるモデルです。
  • 自動運転のロードマップ:日産は横浜での無人運転の実証実験を通じて「パイロットから実用化へ」と移行を進めています。さらに、WayveとのE2E(エンドツーエンド)AI技術の提携により、2027年度以降、ほぼすべての日産およびインフィニティ車においてハンズオフ運転の実現を目指しています。
  • 時間の価値の再定義:3,000万人以上の働き手をより高付加価値な業務へとシフトし、年間120時間の通勤時間を生産的な時間へと転換することで、モビリティを社会格差の是正に寄与する手段へと進化させる構想が示されました。

体験のデザイン:AFEELAとソーシャル・デジタルツイン

対談セッションに続き、Mormedi Vice President(ビジネスイノベーション担当)Maruan El Mahgiubの進行によるパネルディスカッションが開催されました。パネリストには、ソニー・ホンダモビリティ デザイン&ブランド戦略責任者の石井大輔氏と、富士通 クロスインダストリーソリューション事業本部マネージャー(フリートマネジメント最適化担当)大森貴志氏が登壇しました。
石井氏は、AFEELAプロトタイプが提供する車内体験について解説しました。同車両を「センシング・プラットフォーム」と位置づけ、「Autonomy(自律性)・Augmentation(拡張性)・Affinity(親和性)」の三要素を中核に据えたコンセプトを提示しました。

  • クリエイティブ・プレイグラウンド:AFEELA Co-Creation Programを通じて、車両はオープンプラットフォームへと進化します。開発者やアーティストが車内空間を「リスニングルーム」や「楽器」として自由に活用できる環境が生まれ、ドライバーと都市との関係性そのものが再定義されます。

続いて、大森氏はインフラおよびシステムの観点から、富士通のソーシャル・デジタルツイン(SDT)を紹介しました。SDTは社会全体をデジタル上に再現し、「デジタル・リハーサル」を実現することを目指す取り組みです。

  • 科学的な都市計画:行動経済学とAIを組み合わせることで、SDTは、都市政策を実世界に実装する前に、その効果をデジタル空間上でシミュレーション・検証することを可能にします。
  • ソフトウェア開発のスケール化:ソフトウェアによって定義されるクルマ(Software Defined Vehicle、SDV)がもたらす複雑性の増大に対応するため、大森氏はマルチAIエージェントの活用を提唱しました。これにより、グローバルな人材不足という制約下においても、ソフトウェア開発のライフサイクル全体で安全性と品質を確保することが可能になります。

今後に向けて

登壇者全員に共通していたのは、業界横断のエコシステムの必要性です。ネットワークとして機能するモビリティハブという日産の構想、グローバルなクリエイターコミュニティとの連携を進めるソニー・ホンダモビリティ、OEMから都市計画者まで多様なステークホルダーと協働する富士通——いずれの視点からも、「モビリティの未来は一社単独では実現できない」というメッセージが明確に示されていました。
Mormediは、コネクテッドシティの真の価値は、高速かつ高度なインフラと、人の感情に寄り添う体験との調和の中にこそあると考えています。2027年に向けたこれらの技術の本格展開を見据えつつ、私たちの目標は一貫しています。人間中心の姿勢を貫きながら、イノベーションを通じて人々の生活をより豊かにすること——それが、私たちの使命です。

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